奥迫川(おくはざかわ)集落の町おこし事業に関する考察
変なサブタイを付けましたが、要するに岩本ナオ原画展に行ってきました、というお話です。
さる4/3(土)、東京在住の華麗なる18キッパーとともに岡山県岡山市南区(旧灘崎町)および玉野市へ行ってきました。
目的は岩本ナオ原画展に桜まつり、さらにいわゆる聖地巡礼というやつです。
岩本作品の舞台は岩本先生自身の故郷がモデルになっていて、雨無村のモデルとされるのが奥迫川(おくはざかわ)集落であります。ここで原画展をやっていた訳ですね。さらに南へ行った玉野市が町天における赤飯町のモデルではなかろうかと云われています。今回の旅では十分に調査できなかった部分もあるので詳述は避けますが、特に印象に残った部分をかいつまんでレポートしておきたいと思います。
- 雨無村について
この写真はある意味今回の旅のベストショット。きっと村の誰かなのでしょうが、われわれの眼には背中に「ガンズ・アンド・ローゼス」の文字がありありと浮かんで見える。そう、あのナゾの自転車男の実在を確信してしまうのです。
(ご本人および関係者の方々には申し訳ありません)
雨無村読者にはもはや説明不要ですが、村おこしの切り札である桜の古木です。
道路先生のおかげで建った新しい集会所。この中で原画展が行われました。
- 原画展について
どうやらマニュファクチュア的に運営されているようで、非常にアットホームな原画展でした。そんな会場におどろくべきものが
会場入ってすぐのところに、なにやら見覚えのある本があるではありませんか。
なんと「少女マンガを語る本」の岩本ナオ特集号が置いてある!
まさかの展開です。
さらにこのとき岩本先生のご家族の方々がいらして、貴重なお話をいただきました。ヘンな2人組にも厭な顔ひとつせずやさしく迎えてくれたことに感動しました。妙齢の女性ばかり取材する某社の記者とは大違いです。
- 玉野市について
われらがパワースポットもといナイトスポットであるドピンク横丁は実在したようです。作中で描かれるほどのすさまじさは当然ありませんが、それに類する歓楽街は確認されました。直島へ行かれる方も玉野の町を素通りせずに宇野駅周辺を探索されることをおススメします。
- おまけ
高橋真琴の世界
京都伊勢丹でやっている「高橋真琴の夢とロマン展」に行って来ました。よく見たら今日が初日だったんですね。今月の21日までなので、会期はそれほど長くありません。興味のある方はお早めに行かれることをおススメします。
時系列にしたがって展示してあるので、絵柄の変化を追うのにはちょうどいい構成です。
今日の発見としては、「瞳に星」の描き方の変化。
少女マンガの代名詞とも云える「瞳に星」ですが、高橋真琴の絵がその最も典型的なもの云われております(詳しくは藤本由香里さんの「少女マンガの源流としての高橋真琴」第2章)。高橋真琴においてこの手法が確立されるのが、1960年ごろとされていますが、今回の展示作品を追っていくとどうやら68年あたりを境にしてある変化が確認されました。具体的には
1.大きな白丸の下の十字の光を示す線が太くなること
2.瞳の下側の小さな白丸の数が増えること
3.大きな白丸の偏在がなくなりシンメトリカルな構図で固定されること
この3つの変化です。
先に挙げた藤本さんの論文のなかでは、調査途中の「瞳に星」問題は今後改めてまとめるつもりがあると書かれているので、もう既にこの様な変化が指摘されているかもしれませんが、展覧会を見た感想として、とりあえず書き留めておきます。
文学フリマです
宣伝というには余りに遅すぎますが、12/6の文学フリマで私の参加した本が出ます。しかも2冊同時発売(笑)!今回は諸事情により東京出張はありませんので、蒲田で売り子をしているとかいうことはないです。(本当はしたかったけれど)
- 少女漫画を語る本・増刊「GCAOB! petit」
今回は増刊という形でのコピー誌です。鈴木有布子ラブな短文を書きました。既刊本もあわせて販売されますので、そちらもぜひ。
今回はうまく考えがまとまらなかったのですが、「女子高もの」というジャンルについては佐藤八寿子『ミッションスクール』(中公新書)をふまえて色々考えるべきことがあると思うので、いつかまた別の形で書き直すことになるでしょう。
ピアノ・ファイア・パブリッシングの新刊にも参加しています。とは云っても、例の津田雅美的コマ割りの話なので、いい加減「またかよ!」という向きもあるでしょうが、アンソロ本なので他の人の原稿を楽しみに(それを云うならいつもそうなんでしょうが)買っていただけると嬉しいです。
いずみのさん自身が新刊について書いているところで
また、ぼくが「面白い」と思ってリクエストするのは、個々の作品論や作家論、時事ネタなどではなくて、「普遍的に思考のツールとして使いつづけられるようなアイディア」に絞られています。
「考え方のストック」のようなものですね。
我々が感想とかを思いつくときには、今までストックしてきたアイディアを駆使して考えるわけですが、そういう「ストックとなるようなツール」を提供してみてはどうだろうか? という狙いが第一にあります。
というのがあるのですが、やや大げさなことを云えば、私自身もマンガ研究の方法論上の試行として書いたようなところがあるので、そこの部分を汲み取ってもらえたというのは有難いです。
見逃した
よりによってオトメン最終話を見逃すという失態です。いらん仕事の所為で外に出ていたことが悔やまれます。
さて、今回はいつもとは違って少しまじめな話です。といってもあまりまじめに聞こえないのが不思議な「ホモ・サケル」(ま、不思議でも何でもありませんが)
ちょっと前からなにかと話題のジョルジョ・アガンベンですが、彼の『ホモ・サケル』。和訳がなんだかよくわからんことになってるというのはさておき、今回はサブタイトルタイトルの話です。
Homo Sacer: Sovereign Power and Bare Life
Homo sacer. Il potere sovrano e la nuda vita
上が英語版、下がイタリア語です。ちなみにフランス語だとHomo sacer I. Le pouvoir souverain et la vie nue、ドイツ語だと Homo Sacer. Die souveräne Macht und das nackte Lebenとなります。
で、何が問題かと云うと、冠詞より正確には定冠詞の有無が問題です。
英語とイタリア語を比べて、定冠詞がなくなってるのがものすごく気になる訳です。(フランス語もドイツ語も定冠詞っぽいのがついてますよね。知らないのではっきり定冠詞だとは云えないですが)
このサブタイをどのように翻訳するかはさておき、最も単純な直訳としては「至高の力と裸の生」といった具合になるかと思います。potereを単に「力」とするか「権力」と踏み込んで訳すかはこの際あまり問題ではないでしょう。sovranoも「最高の」か「至高の」かはとりあえずどうでもいい。しかし、これに定冠詞で限定が入るかどうかは結構重要な問題のような気がするのです。
たしかに英語ではthe godとは云わないし、そういう意味でtheが抜けてるのかもしれないのだけれど、わざわざ定冠詞をつけて神の力を暗に想定させつつ「至高の力」と云っているところをまったく無視してよいものかどうかはかなり疑問です。逆に英語版の訳者が何か考えてやってるとしか思えない(うっかりミスとかそんないい加減な話であるはずがない)ので、どういう理由でそうなったのかが気になります。
最後に、どうでもいいことですが、こういうときくらいしかイタリア語が役に立たない、もっと云えばこれだって役に立っているといえるレベルの話ではない、というのが非常に悲しいです。
オトメン秋 第2話みた
オトメン秋第2話(サブタイ今回は花男みたいね。前回は花君でしたが)突っ込みどころをつらつら
- テキサスって新しい設定だ
- らぶちっくはらぶちっくの絵を使おうぜ
- おーたん教育実習かよ!
- 贅沢は敵ですか?!
- 春日は出ないのかな
- ドラマ化に際しての設定変更はのだめのときもありましたがこの辺り何か一定の規則性とかないものだろうか
- 風紀委員なまはげはなかなかいいネタだと思う
- 子どもの頃の飛鳥役の子がかわいい
- ミジンコじゃなくて貞子か
- 落ち武者って…
- 教育実習のはずなのにおーたんは何の先生だ
- 何とかの王子か
- ところで君いくつなんだ!核心を突く質問ですね、ナイス
- 日本地理は高校地理ではやりません
- 福岡→道明寺、愛媛→花沢類って面白すぎる
- その原稿は違うぞ
- 妹も同じ学校か
- かわいさは罪…美しさは罪です(白泉社的には)
- やっぱり高田延彦は都塚父だったか
- 磯野はまたこのパターンか
- ナカジマ!!!やっぱりカツオだよ、こいつ
- 変な薬の飲まされるぞ、気をつけろカツオ
- すげー、F4みたいとかやりたい放題だな
- 合コンローマ帝国って原作にはなかったネタのような気もするが
- HACHIIII最新ネタだ
そういえばカツオのフォローがないままに今日は終わってしまいましたが、次回はちゃんと復活しているようです。いわゆるひとつのお約束というやつですかね。
ドラマ版みてみた
時間帯が移ってパワーアップしているのだろうか?(夏を見ていないので比較のしようもないのですが)
以下ドラマを見ながら気付いた点を列挙します。
- 大沢君とそよちゃんなのはいいとして、なぜりょうちゃんの髪が長いのだろうか
- しかしこの二人3年経つが変わらんね
- とうのみねは背が低いんじゃないだろうか
- しかも学校が同じという設定
- どこかで見たような絵が(某ヤンキードラマ)…日テレ(TBS?)からクレームこないのか
- 原作にはいなかった(はずの)キャラがいい味だしてる:磯野(カツオか?)
- 相手高校のやつ面かぶれるのか(モヒカン)
- 英語の先生オバマ!
- シュプレヒコールはどうなんだろうと思うものの
- 学園ドラマというジャンル自体のパロディという壮大な試みと理解することにする
- いつの間にカレーが2つになったのだろう
- 飛鳥も大統領だったのか
- なんだ縦ロールが出たぞ
- 下ネタが来るとは
- 神社で決闘、剣聖か
- エンディングは吉野の里か?
- 連載の最新動向を反映しているとしたらかなりの気合
- おーたん次回登場って早くないすか!?
あくまで原作がコメディというのもあるのでしょうが、よくできたドラマ版だと思います。変に忠実にアニメ化とかよりは、ずっとよいと思う。という「オトメン〜秋」第1話の感想でした。
てか、次の時間枠リアルクローズってこの辺少女マンガ枠なんですかね。