高橋真琴の世界

 京都伊勢丹でやっている「高橋真琴の夢とロマン展」に行って来ました。よく見たら今日が初日だったんですね。今月の21日までなので、会期はそれほど長くありません。興味のある方はお早めに行かれることをおススメします。

 時系列にしたがって展示してあるので、絵柄の変化を追うのにはちょうどいい構成です。

 今日の発見としては、「瞳に星」の描き方の変化。

 少女マンガの代名詞とも云える「瞳に星」ですが、高橋真琴の絵がその最も典型的なもの云われております(詳しくは藤本由香里さんの「少女マンガの源流としての高橋真琴」第2章)。高橋真琴においてこの手法が確立されるのが、1960年ごろとされていますが、今回の展示作品を追っていくとどうやら68年あたりを境にしてある変化が確認されました。具体的には

1.大きな白丸の下の十字の光を示す線が太くなること
2.瞳の下側の小さな白丸の数が増えること
3.大きな白丸の偏在がなくなりシンメトリカルな構図で固定されること

この3つの変化です。

 先に挙げた藤本さんの論文のなかでは、調査途中の「瞳に星」問題は今後改めてまとめるつもりがあると書かれているので、もう既にこの様な変化が指摘されているかもしれませんが、展覧会を見た感想として、とりあえず書き留めておきます。