マンガ

ケータイ擬人化

以前読み切りで載ったときにたまたま『なかよし』を買っていて、印象に残っていた(あぁこれ連載化するだろうな)作品でついに連載化というニュースを聞きましたので、応援記事を書こうと思った次第です。 こういうのはツイッタがいいんでしょうけどね。 ツ…

草川為『八潮と三雲』2巻

草川為という作家ももっと評価されてしかるべき作家だと思っています。 『龍の花わずらい』もLaLa本誌で毎月楽しみにしてたのに終わっちゃうし…。(だいぶ前の話ですが) 王道的な構図でありながらも、設定のレベルでひねりが利いているというかなりの上級テ…

奥迫川(おくはざかわ)集落の町おこし事業に関する考察

変なサブタイを付けましたが、要するに岩本ナオ原画展に行ってきました、というお話です。さる4/3(土)、東京在住の華麗なる18キッパーとともに岡山県岡山市南区(旧灘崎町)および玉野市へ行ってきました。目的は岩本ナオ原画展に桜まつり、さらにいわゆる…

メガネとったら美人

デラコミを読んでいたら、また「メガネとったら美人」パターンが出てきました。LaLaの「未少年プロデュース」の時にずいぶん久しぶりに(もしかしたら実物を見たのは初めてだったのかも)見たのに続いて2回目の目撃例ということになります。 「少女マンガか…

少女漫画を語る本 第4弾

5/10(日曜)の「第8回文学フリマ」に出る、少女漫画を語る本 第4弾(F-29「close/cross」)にわたくし紫呉屋も参加しております。 以下詳細です。 少女漫画を語る本「Girls' Comic At Our Best! vol.04」 ★特集:麻生みこと『天然素材でいこう。』 白泉社…

西炯子と私

今更ながらSTAYシリーズを全部読みまして、単純に郷土の作家という以上のつながり(と云うのもなんだかヘンですが)があるのだということが判りました。 舞台が角島、つまり鹿児島であるというだけでなく、作中人物の数人(佐藤君や写真部の井上君など)…

恋愛には向かない人々

麻生みこと『天然素材でいこう。』を読み終えたところで何か書いておこうということで、ものすごく久しぶりな更新になります。云い訳さしてもらうと、ここのところ忙しくてそんなにマンガを読んでなかったのです。(忙しい忙しいと云うやつに限ってヒマ、と…

「少女趣味」の系譜

稲垣恭子『女学校と女学生』(中公新書、07)を中心に主として戦前期の少女文化、少女表象についての研究書を幾つか読んでみて、現代の少女マンガへの連続性を強く感じさせられました。 例えば「文学少女」というイメージについて、これに(男性が)憧れる場…

羅羅七月号について

今月の『ララ』は津田雅美の新連載が始まるということで非常に楽しみだった訳ですが、さすがに期待を裏切らない第1話でした。新作「ちょっと江戸まで」、タイトル上のアオリが「大江戸アバンギャルド草紙」となっていて、まずこの時点で?序盤も一部のセリフ…

5年ぶり(!)の新刊によせて

『おもいでエマノン』は鶴田謙二5年ぶりの新刊だそうです。私も帯を見てびっくりしました。もう5年も経つのか?いや、マジで?う〜む。 前の単行本は『Forget-me-not』ですよね。『日本ふるさと沈没』が単著ではないとはいえ表紙を描いたもんですっかり騙さ…

少女マンガ研究会 第18回読書会レジュメ 08 5/17

課題図書:新井理恵『LOVELESS』小学館、2001-02 発表担当:紫呉屋 1)作品データ 初出:デラックス別冊少女コミック00年6/5号〜02年4/5号 2年間隔月連載を休まず続けるも雑誌再編のあおりで終了 単行本1巻01年6/20、2巻02年8/20 初版第1刷発行 高河ゆんの同…

入江亜季サイン会に寄せて

本日『群青学舎』3巻の発売を記念したサイン会がとらのあな三宮店で開催されました。 前に云いました通り電話予約が上手くいっているのか非常に心配な状態でしたが、店頭で予約している旨伝えると記録と照会してくれて無事整理券をゲット。この時点で1時だっ…

鈴木由布子のコマ割りって案外複雑なのかも

今までお話とかネタの面白さに目がくらんで気がつかなかったのですが、「丘の上のバンビーナ」を読んでこの人のコマ割りは案外複雑なことをやっているのかもしれないとか思いました。 「ページまたぎ」は皆無で「変形ゴマ」が多い訳でもなく、むしろほとんど…

少女マンガにおける歴史というジャンルについての考察<前編>

マンガには確かに歴史モノというジャンルがありますが、少女マンガと歴史というのは何とも微妙な関係です。「歴史モノ」は少ないように見えて、実は意外に多かったりする訳です。結構あるにもかかわらず少ないように思えてしまうそのカラクリについて考えて…

「オトメちっく」ハ「おとめちっく」ニ非ズ?

別花10月号において確認された「オトメちっく」という単語について考えてみます。「オトメン」関連で「オトメちっくフェア開催」とか書かれる訳です。何か違和感がありますよね。 少女マンガの世界で「おとめちっく」といえば、田渕由美子や陸奥A子などの作…

宇仁田ゆみ強化月間

な様相を呈してきました。絵柄が好きで大分前(白泉社の単行本が出た頃かな?目録を眺めててピッと来た)から読もう読もうと思っていて、つい先日BSのマンガノゲンバで取り上げられたのを機に、ここのところ固めて読んでる訳です。 硬質な手触りで背景もあっ…

7/5の戦利品

よしながふみ「フラワー・オブ・ライフ」「西洋骨董洋菓子店」「彼は花園で夢を見る」、桑田乃梨子「888スリーエイト」3巻、basso「amato amaro」、岩岡ヒサエ「土星マンション」、津田雅美「eensy-weensy モンスター」1巻、武富健治「鈴木先生」3巻、「屋根…

「eensy-weensy モンスター」1巻のコマ割りだけを考える。

代わりに、昨日シリーズは最後と云いましたが、単行本も出たことなので、「eensy-weensy モンスター」1巻(step1〜6)を例のごとく解析してみます。(いい加減しつこいですが) まず、ページまたぎ。step1から順に3、1、2、4、0、3回となります。 そして、st…

新井理恵の場合

読んでいて感覚的な理解としては、コマ数もテキストも過剰気味です。この色々な「過剰さ」というのは新井理恵を特徴付ける重要なポイントの1つですが、今回は出血、涙等の「体液表現」の過剰さ、或いはモザイクの過剰さ(過剰というかそもそも少女マンガでモ…

「津田雅美を考える その1」についての訂正と「その2」の補足

前々回の最後の方で、少年マンガではページまたぎはしないんじゃないか、といい加減なことを書きましたが、やはりそんな事はないようです。みやもさんから指摘がありました(身辺雑感/脳をとろ火で煮詰める日記 2007年7月1日 津田雅美の新作は大きなスクリー…

今市子の場合

ここんとこ、津田雅美のコマ割りについて見てきましたが、今回はある意味で津田の対極に位置すると云える今市子について考えて見たいと思います。 実はこの二人商業誌デビューは93年で同じです。今市子は生年が明らかになっていないので、はっきりしたことは…

津田雅美を考える その2

昨日、津田のコマ割りの特徴ということで、ページまたぎをあげましたが、よく見てみると今月号のLaLaでページまたぎを使用してないのは羽鳥ビスコ、藤原ヒロ、マツモトトモの3人だけでした(ギャグのにざかなと江咲桃恵は除く)。 という訳で、実はページま…

津田雅美を考える

今回のテーマはずばり「コマ割り」です。 最近特に思うのですが、津田雅美のコマ割りは少女マンガにあって少し異質です。かなり特徴的であり、極端な話コマ割りだけで判別できるかもしれません。それは一言で云うなら「贅沢」であり、「単純」です。(既にど…

71年組研究序説

少女マンガの話をすると、24年組というのはよく出てくる。同じ時期に生まれた人たちを一括りにして考えてみるという切り口ですね。この場合は昭和の24年の話ですが、今回は西暦の1971年生まれということで何か見えてこないかというお話。 これを考え出したの…

71年組研究序説 発芽前

という訳で、今回は新井理恵作品に特徴的な表現のいくつかについてのお話。 まずは、発話者の後頭部をなめて発話対象の正面を写すカットの多用について。作中では力強いつっこみの台詞とともに描かれることが多く、どちらかといえば前コマの発言を受けてのコ…

春休みの成果

マンガばっかり読んでたので、色々書きたいけど、すこしづついきたいと思います。とりあえず覚えてる範囲でタイトルだけ。 篠原烏童「不法救世主」「セフィロト」、紫堂恭子「辺境警備」、成田美名子「みき&ユーティ」、吉野朔実「記憶の技法」、柳原望「お…

「やおい」の定義

メロディ4月号。よしながふみと羽海野チカの対談記事が面白かった。 ライバルだけど認め合ってる関係。男女関係なく、見た目仲良くないんだけど、お互いの力を認め合ってて、それでその人が本当に困ったときには手をかしてやるような関係みたいなものを、私…