最近面白かった本

 青桐ナツflat』(マッグガーデン

 ブレイドアヴァルスで連載だそうです。この辺は普段スルーしがちですが、連載陣を調べてみると鈴木由布子とかもいる訳だし、本来親和性は高いはずなんですね。

 それにしても本作、5日で増刷がかかってるという何ともオソロシイ(てかよくわからない)本です。初めから売れるの解ってるなら多めに刷ればいいのにとか思ってしまいます。(自分が買ったのが1刷でなかったからこういうことを云う訳ではない)

 リアルの子供というのは余り好きではないのですが(と云うか人間一般が好きではない)、子供とのふれあいとか家族とか、恥ずかしい言葉を使うと「愛」の物語が好きです。前にも書いたと思いますが、近代的な制度(の延長)としての家族像に愛着があるし、現実社会にある雑多な障害が取っ払われたような理想的な発話状態(それを信頼関係と呼んでも問題ないでしょう)が気持ちいいんだと思います。

 私は物語の説明をするのが苦手(と云うより下手)なので余りやりたくないのですが、ボーっとした高校生とよく出来た子供の心の交流が描かれております。(ホラ、明らかに面白さが伝わらない)

 最近考えていることとつなげるなら、これもやっぱり「関係志向モデル」です。彼らは何か目的があって行動している訳ではなくて、ただ友人だったり家族(親族)だったりそういう既にある関係ベースにを生きています。新しいそこにはない何かを追求する訳ではなくて、勿論変化の可能性は開かれているけれど、そうした変化を積極的に求めている訳ではない。基本的には関係を発展させることは意図されずに、結果としての関係の変化(進歩とか発展とかいう言葉は使わない)はあったとしても、それは偶発的な結果であってそれを目指して何かしていた訳ではない。
 目的というのは外部からの要請というか、何らかの欠損に対して理想的な状態をいうのが予め想定されているものですが、関係そのものの中から偶発的に現れる変化への対処というのは必ずしもそういう性質のものではない。

 目的でなく、関係。多分この話題はもうしばらくひっぱると思いますので、よろしくお付き合いください。