映画の話

 昨日の夜たまたま衛星映画劇場の夜中の方で『冒険また冒険』を観ました。途中からでしたが、どうやら始まってすぐだったみたいで、殆ど全部観ているはずです。

 はじめイタリア語を喋っていたので、イタリア映画(「Non co-no-sco!(知らないって云ってるだろバカ!)」とか云いながら警官と押し問答しているものだから)かと思ったら、いつの間にかフランスに舞台が移ってみんなフランス語で話し始める訳です。

 番組情報を見てみると、72年フランス映画。監督クロード・ルルーシュ

 結構めちゃくちゃなの話ですが、まあコメディとしてはとても面白い。犯罪コメディといえば『スティング』ですが、ああいう華やかさ(R・レッドフォード&P・ニューマン)はないし、仕掛けの美しさもない。オッサンばっかりで、しかも間抜けな感じで終始ことが進む。いわゆるバカ映画みたいなところもあるけれど、そこまでバカじゃない。

 フランス映画というと敷居が高い感じなんですが、こういうのもあるんだなという一作です。ただ監督は有名な人なのに、映画自体はマイナーもいいところです。おもしろいのに。



 そう云えば先月の話ですが、友人が借りてきた『善き人のためのソナタ』というドイツ映画も面白かったです。これもオッサン(ハゲ)が主人公で、しかもこの男が殆ど喋らないというものすごい映画なんですが、コメディではなくて結構社会派名感じです。

 冷戦末期の東ベルリンが舞台で、ハゲが盗聴任務をこなす中で何か思うところあったらしく軍人らしからぬ行動をとり始めます。淡々と話が進むのですが、淡々としているがゆえに逆におかしい所もあり、辛気臭くなりすぎないバランス感覚が秀逸。

 私は知らなかったのですが、いろいろ賞をもらったり結構有名な映画のようです。