最近の読書

 前の日記から3週間くらい経ってるんですね…。時が過ぎるのが早い。

 鈴木ジュリエッタカラクリオデット」6巻(完結)…オデット終わっちゃいました。ジュリは安定して面白いので非常に心強いですね。アンドロイドでSF哲学的な話にはせずにあくまで少女マンガとして流したというのは、結果的にはよかったのかもしれません。デリケートな問題を(あえて)軽やかに跳び越えてしまう「強さ」というのも時には必要と思います。そういうバランス感覚が好きです。個人的には白泉系の00年代デビューで最強の逸材だと信じている。

 菅野文「オトメン(乙男)」5巻…別花で毎月読んでいるので単行本になって特にどうこうというのはないのですが、正直こんなに長く続くとは思わなかったです。長くなって悪いという話では全くないのですが、菅野というと短編作家のイメージが強いので2巻くらいで終わるんだろうなぁと漠然と思ってました。まあ別花的にも今終わってもらっちゃ困るというのは解りますが…。

 入江亜季群青学舎」3巻…三宮とらでのサイン会は一応電話予約が上手くいったので5/10は神戸に出張ってきます(予想外にアッサリつながったし、店員の対応もえらく簡単な感じだったので、ちゃんと予約できてるのかとても不安だが)。この人も安定して上手いですね。短編ばっかりですが、いっぺん続きもんの長いやつとかやってほしい気もしないでもないです。

 小玉ユキ坂道のアポロン」1巻…これもflowersの方で(殆ど)読んでいるのですが、凛花に載ってた「種男」かなりツボでした。小学館の懐の深さというか幅の広さというのには感服、もう何も云えないです。とりあえずどうもありがとうございますとしか云いようがない。ファンタジー的な道具立ての上手さが光るフラワーズ三人衆ですが、日常との地続き感というのは3人の中でも小玉ユキがピカイチという気がする。

 志村貴子×藤野千夜「ルート225」…理解力不足のためにお話がよく解らなかったです。異世界に飛ばされちゃって結局元に戻れなかったという筋だけだとどうしようもなく救いのない話ですが、不思議と悲壮感はなくて閉塞に対して前向きな諦めというのがイマドキっぽいのかもしてません(という風に理解したのですが、果たしてこういう理解でよいのだろうかという意味での「解らなかった」)。

 中村明日美子「Jの総て」「2週間のアバンチュール」…エロティクスの名に相応しい人ですよね、この人は。fがすごい雑誌だというのは解ってはいたつもりですが、改めて思い知らされる気がします。チーズトースト男爵の描き下ろし(「チーズトースト考」)というのもなにやら心憎いもので、全然アバンチュールじゃないんですが、不思議と前後の収録作の合間にはまってしまう。

 LaLa、別花6月号…そろそろだろうなとは思ってましたが来月から津田雅美が帰ってくる(しかも時代モノ!)ようです。今回も恐らくそう長い作品ではないと思われます。というかそもそもカレカノの方が例外中の例外なのであって基本的に彼女は短編作家なんだと思う訳です。カレカノにしても一種のオムニバスというかスピンオフを含めたシリーズものとして理解すれば21=3×7ですから短編と云えない事もない(ちょっち強引過ぎ?)。別花の方は藤原規代の「お嫁にいけない!」がいい感じです。読みきりで2回目ですからまた次も期待できそう。ただ彼女は「アラクレ」がありますから、すぐすぐ連載化は無理ですね。



 いい加減マンガばっかりでまたもや知性の危機を感じますが、今週から読書会企画がスタートしたので少しは啓蒙されてくるんじゃないかと。


 読みかけ…稲垣恭子「女学校と女学生」、佐藤卓己「現代メディア史」、アドルノ「プリズメン」、稲葉振一郎『「公共性」論』、北田暁大「<意味>への抗い」、ホルクハイマー&アドルノ啓蒙の弁証法」などなど