わーいクリスマスだー

 先日「真・女立喰師列伝」を観に行ってきました。テアトル梅田に随分久しぶりに行ったような気がします。というか梅田まで出るのが半年振りくらいなんですかね…。しばらく行かないうちにテアトルは整理券がなくなって、座席指定制に変わってました。ついにあの穴蔵にも電子化の波が来たようです。

 最終日ということもあって、結構人が入ってました。尤も小さい所なので、人数的には30人かそこらなんでしょうが、最近シネコンで観たやつでもでっかいスクリーンにそれ以下の人数という映画が何本もありましたから、この数字は案外いい方なのかも知れません。

 実は前作「立喰師列伝」のDVDはまだ買ってないんですが、今回は早めに買おうと思います(その時は前作もセットで)。立喰師は一応うる星のお銀さんから気になって追っかけてる(当然リアルタイムではありませんが)ので、それなりに思い入れはあります。押井守作品の中でもかなりいい線いくと思うんですが、攻殻とかの時とは違ってそんなに注目されません。それだけが残念でなりません。私としては神山店長にしてもやはりミニパトだし、店長のイメージなんですが、どうも世の中的な認知とはずれているようです。

 押井守の最も押井守らしいところは、云ってみれば「くだらないことに全力投球」なんだと思います。いい意味でも悪い意味でもそういうところがあるのだと思います。その「くだらないこと」にどういう意味づけを行うか(或いは行えるか)というのが、押井作品のある種のハードルの高さなのかもしれません。

 くだらない、中身がない、というのは通常褒め言葉ではありません。しかし、少なくとも私にとっては結構大事な言葉です。本当にくだらないことをやるというのは尋常ならざる精神力のなせる業であり、その意味で真なるバカ映画というのは、そのくだらなさゆえに至高の価値を体現するという逆説を孕んでいます。(もっと云えばこの観点は映画に限らず凡そ芸術・文化一般に適応できるものかもしれません)


 映画を観終わった後無性に大佐のところへ行きたくなります。そういう意味でもクリスマスに観るのに適当な作品かもしれません。来年以降冬の定番作品となることは絶対にないでしょうが、少しだけそんな気分になりました。